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ロレックス ヨットマスターIIの操作方法を解説

はじめに

ロレックス ヨットマスターIIは、世界でも珍しいレガッタ・クロノグラフを搭載したプロフェッショナルモデルです。 その最大の特徴は、10分カウントダウンを自在にプログラムできる機構。ヨットレースのスタートシークエンスに対応するために開発されました。

ただし、ヨットマスターIIの操作は一般的なクロノグラフとは大きく異なり、リングコマンドベゼルとプッシュボタンを組み合わせた独自のシステムになっています。 初めて触れる方にとっては「どうやって使うの?」と戸惑うことも少なくありません。

本記事では、ヨットマスターIIの基本構造と各部名称から、カウントダウン設定・スタート/リセット・シンクロ機能までを順序立てて解説します。 実際にレースに出ない方でも、「なぜこのモデルが特別なのか」が理解でき、所有する楽しみや鑑賞ポイントが深まるはずです。

※本記事はヨットマスターIIの基本機能を理解するためのガイドです。実際のレースでの使用手順は省略しています。

ロレックス ヨットマスターII
各部名称と役割(ベゼル・プッシュボタン・リューズ・ダイヤル表示)

画像のA・B・C・Dと、以下の説明が対応しています。まずは“どの操作がどこで効くか”を押さえましょう。

A リングコマンドベゼル(回転式ロック/設定切替)

ベゼルを反時計回りに90°回すと「設定モード(位置II)」になり、カウントダウン分のプログラムが可能。
元の位置(位置I)に戻すと設定がロックされ、通常操作(スタート/ストップ/リセット)が有効になります。

B 上プッシュボタン(スタート/ストップ)

カウントダウンの開始・停止を担当。通常はベゼルが位置I(ロック)で動作します。
※ 進行中の使い方は後章の「操作手順」で詳述します。

C 下プッシュボタン(リセット/同期)

停止中に押すとゼロ位置へリセット。モデル特有の機能として、進行中のタイミング調整(同期)にも使われます。
※ 同期の具体的な手順は後章で解説。

D リューズ(ねじ込み式:巻上げ/時刻合わせ)

ねじ込みを緩める → 手巻き/時刻合わせ → ねじ込みロックの順で操作。防水維持のため必ず再ロックを徹底してください。

Tips:
  • ベゼルが位置IIのままだと、プッシュ操作が効かない(または制限される)ことがあります。設定後は必ず位置Iへ戻す。
  • リセットは停止後に行うのが基本(機構保護)。
  • リューズ・プッシャーは水中や濡れた状態で操作しないこと。

ダイヤル表示(読み方の基礎)

ヨットマスターIIはカウントダウン分表示(1〜10)を中心に構成され、中央のクロノ秒針が秒を刻みます。 多くの個体でスモールセコンド(通常秒針)は6時位置に配置されています。

  • カウントダウン分針:1〜10分の設定・表示領域(プログラム手順で可変)
  • 中央クロノ秒針:カウントダウン進行中の秒表示
  • スモールセコンド:時計本体の通常秒針(カウントダウンと独立)
各部名称 Aベゼル B上プッシャー C下プッシャー Dリューズ
カウントダウンタイマーの使い方

1⃣ モード切替(ベゼル→C押下)

ベゼルA反時計回りに90°回して設定モードへ。
続けて下プッシュボタン Cを押します。※ Cは押されたままの状態(ロック)になります。

Aモード切替:ベゼル反時計回り90°→C押下

2⃣ カウントダウン時間設定(Dリューズ)

リューズD開放し、上方向に回してカウントダウン分を設定します。
1分刻み/最大10分まで設定可能。

Bカウントダウン時間設定:Dリューズで分を設定

3⃣ 設定完了(ロック)

リューズDねじ込みロックし、ベゼルA時計回りに90°戻して通常位置へ。
これで設定が記憶され、通常操作モードに復帰します。

C設定完了:Dリューズを締め→Aベゼルを戻す

4⃣ カウントダウン計測(B・C)

上プッシュボタン Bスタート。再度Bでストップ
リセット:ストップ状態で下プッシュボタン Cを押すと、設定分位置にゼロ復帰します。

D計測:Bスタート/Bストップ/Cリセット
Tips:
  • 設定後は必ずAベゼルを元の位置へ。設定モードのままだとプッシャーが正常動作しません。
  • 停止→リセットの順を厳守(動作中リセットは故障の原因)。
  • Dリューズは確実にねじ込みロック(防水維持のため)。
シンクロナイゼーション機能(同期)

ヨットマスターIIにはシンクロナイゼーション機能が備えられています。 これは、進行中のカウントダウンを直近の分目盛に瞬時に揃えることができる仕組みです。 レースのスタート信号に合わせたいときや、僅かなズレを修正したいときに非常に役立ちます。

操作手順

ベゼルA通常位置(ロック)で行います。

  1. B(上プッシュ)で一時停止
  2. C(下プッシュ)を短く押すと、表示が直近の分目盛にスナップ(同期)。
  3. B(上プッシュ)で再スタート

※ 同期は、最初に記憶したカウントダウン分(プログラム値)を消さずに調整できる機能です。

Tips:
  • 操作順はB停止 → C同期 → B再スタートを習慣化するとミスが減ります。
  • ベゼルAが設定モード(反時計回り90°)のままだと同期は動きません。必ず通常位置へ。
シンクロナイゼーション(同期):B停止→C同期→B再スタート
注意点とメンテナンス

よくあるミス

  • ベゼルAが設定モードのまま:プッシャー(B/C)が効かない/挙動が変。→ 時計回り90°で通常位置へ戻す。
  • 動作中にCでリセット:機構に負担。→ 必ずBで停止してからC
  • Dリューズの締め忘れ:防水低下リスク。→ 操作後は必ずねじ込みロック

日常ケア

  • 水分がある状態でA/B/C/Dを操作しない(防水維持)。
  • 磁気・強い衝撃を避ける(針ズレや停止の原因)。
  • 数年ごとのオーバーホールで潤滑・防水パーツを点検。
ヨットマスターIIの注意点とメンテナンス
FAQ

Q1. ヨットマスターIIは普段使いでも大丈夫?

はい、問題ありません。防水性や堅牢性は通常のロレックス同様に確保されています。 ただしプッシャーやリューズは水中で操作しないことが推奨されます。

Q2. カウントダウンの設定時間は何分まで?

1分刻み/最大10分まで設定可能です。設定後はベゼルを元に戻してロックすることで、次回以降も同じ時間が記憶されます。

Q3. 間違えて動作中にリセットしてしまったら?

動作中のリセットは機構に負担をかける可能性があります。 必ず「停止 → リセット」の順で操作することを習慣にしてください。

Q4. ヨットレースをしない人にも必要?

レース専用機能ではありますが、クロノグラフ的な使い方や独特の操作性はロレックスの中でも唯一無二。 実用性よりも「機構を楽しむ」ために所有される方も多くいます。

まとめ

ヨットマスターIIはリングコマンドベゼルと専用クロノグラフ機構によって、他にはないレガッタ専用カウントダウンを可能にした唯一無二のモデルです。 操作の基本はAベゼル・Bスタート/ストップ・Cリセット/同期・Dリューズの4箇所を理解することにあります。

本記事では各部名称と役割カウントダウンの設定方法シンクロナイゼーション機能までを整理しました。 ポイントを押さえて操作すれば、レースシーンだけでなく日常の時間管理にも応用できます。

高度な機構ゆえに無理な操作や水中での使用は避け、日常のメンテナンスを徹底することが長く使う秘訣です。 機械式ならではのダイナミックな動きを楽しみながら、ヨットマスターIIの魅力を存分に体感してください。

ヨットマスターII まとめイメージ
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